DXが止まる本当の理由 ― 反対派を味方につける「進め方」「巻き込み方」

     ・DXを進めようとしても、思ったように前に進まない──。
     ・結局、一部だけが動いていて、組織全体に広がらない──。
     ・取り組んだものの、気づけばプロジェクトが止まってしまった──。

 そんな経験をお持ちの企業は少なくありません。しかし、原因は「技術が難しいから」だけではありません。むしろ、社内の認識のズレや、現場の不安、目的の曖昧さなど “人と組織の課題” がDXの足を引っ張っているケースがほとんどです。
 そこで本記事では、現場や経営からよく聞かれる4つのつまずきポイントを取り上げ、なぜDXが止まってしまうのか、そして反対派や慎重派を味方に変えながら前に進めるための「進め方」「巻き込み方」を整理していきます。

DX導入を妨げる要因 4選

 ここで取り上げる意見は、DXに取り組む多くの現場で実際に上がってきた「リアルな声」です。DXが前に進まない理由は企業ごとに異なりますが、多くの現場で共通して見られる“つまずきのパターン”があります。
 これからDXに取り組む方にとっては“心配しないための教訓”として、すでに悩みを抱えている方は“自社はどのタイプに当てはまるのか”を照らし合わせながら読み進めてみてください。


▶「今のままでいい」「変えたくない」

考え方を曲げない職人の男性

 こういった声は、DX支援で現場に入ると、ほぼ必ずと言っていいほど耳にします。しかし、市場の変化は待ってくれません。「まだ問題ない」と判断し、今のやり方に固執し続けた結果、気づいたときには選択肢がなくなっていた、というケースも少なくありません。
 こうした状況でまず心掛けたいのは、

この問題を”自分ごと”として捉える

という視点です。このまま何も変えなかった場合、「会社や自分の業務はどうなるのか」「5年後・10年後はどんな状態が予想されるのか」などを、売上推移、作業時間、他社の取り組み事例など、客観的なデータとともに可視化して共有します。その上で、「どこを目指すのか」「そのために何を変えるのか」という将来像を言語化し、足並みをそろえていくことが第一歩です。


▶「DXって何なの?」「デジタルを分かる人がいない」

DXが全く分からず諦めそうな男性

 「DXを進めなければ」という言葉だけが独り歩きして、導入してみたはいいものの、何のために行っていたか目的を見失い、いつの間にかシステムが使われなくなってしまったという話もよくあります。特に、専門部署や人材を置けない中小企業においては、人材育成に時間を割くことができず、ITへの苦手意識だけが膨らんでしまうのが現状です。
 だからこそ、最初から完璧を目指す必要はありません。まずは、

現場の”小さなしんどい”を解消する

ことに特化してみましょう。一つの業務、一つのツール、一つの改善。限定した業務範囲で導入し、誰でも効果を実感できる領域から着手します。「使ってみたら便利だった」という小さな成功体験を積み上げることが、組織全体のデジタル・リテラシーを引き上げる最短ルートになります。


▶「効果が見えない」「リターンが分からない」

DX効果が見えず立ちすくむ男性

 こちらは特に経営層の方からいただくご意見です。DXを導入する以上、何らかの効果を期待して「投資する」という判断に至ったはずですし、リターンを求めるのも当然のことだと思います。しかし、短期的な数値だけで判断し、思ったような効果が出ないからと途中で諦めてしまってはいないでしょうか。DXにおいて、導入直後に劇的な変化が起こることは極めて稀です。
 ここで考えを少し転換して、DXを単なる業務改善ではなく、

“より価値の高い仕事”をできる環境を整える取り組み

と考えてみましょう。普段は時間を割けなかった営業先を訪問してもいいですし、蓄積されたデータに基づく戦略分析の時間に充てても良いでしょう。「残業代が減る」「紙代が浮く」という表面的な効果以上に、デジタル化によって生まれた「時間のゆとり」をどう活用するかということこそが、DXがもたらす真のリターンです。


▶「現場のこと全く理解してない」「現場が言ったことをやってくれない」

互いを理解しようとしない経営と若者

 DXを導入した直後、こうした不満が噴き出すことがあります。「上からやれと言われた」「部下から懇願されたから仕方なく」といった、どちらも腹落ちしないまま導入に踏み切った結果、両者ともに他責となり、議論は平行線のまま進まなくなってしまいます。会社を良くしようとした取り組みが前に進まないばかりか、不満が積み重なり、組織の雰囲気を悪化させる要因にもなりかねません。
 DXは、経営陣の意思決定と現場の実行が噛み合って、初めて成果につながる取り組みです。だからこそ、

互いの対話を増やし、現場と経営の“通気性”をよくする

ことが欠かせません。現場の声に耳を傾けつつ、経営は目指す姿を明確に示す。現場は日々感じている課題や不安を率直に共有する。そのうえで、双方が相手の立場を理解しようとする姿勢を持つことで、「やらされ感」ではなく「自分たちで進めている」という主体性が生まれてきます。DXにおいては、「導入した技術」よりも「組織の関係性」の方がはるかに重要だと言ってよいでしょう。


まとめ

 DXが止まる理由は、反対意見が出ているからではなく、その声とどう向き合うかが整理されていない ことにあります。DXを進めたいという思いだけでは、社内で話が通らなかったり、導入してから思うように成果が出なかったりと、悩みは尽きないものです。
     ・「実現したいことがあるのに全く聞いてくれない」
     ・「やっていて、いまひとつ手ごたえを感じない」
     ・「そもそも、どこから手をつければいいのか分からない」
といったお困りごとがあれば、どうぞ弊社までお気軽にご相談ください。現場と経営の間にある壁を一緒にほどきながら、貴社に合った形でDXを前に進めるお手伝いをいたします。よろしくお願いいたします。

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