”あの人しか分からない”は黄色信号 今すぐできる3つの対策

 皆さんがお勤めの会社で、こんな会話が飛び交うことはありませんか?

「これは○○さんの案件、本人しか詳細分からない」
「○○さんは休みだから、今日は進められないな」
「社長に聞かないと判断できないわ」

 どれも決して珍しいことではありません。むしろ限られた人数で仕事を回している企業ほど、この傾向は強くなりがちです。
 いわゆる「属人化」と呼ばれる、今の状況をそのまま放置してしまうと、病気やケガ・退職など突然の事態によって、将来、重大なトラブルにつながる可能性があります。そこで、今からでもできる対策を3つのケースに分けてご紹介します。

「営業担当」しか分からない

 まずは、営業担当しか状況を把握できていないというケースです。皆さんも経験あるのではないでしょうか。
営業担当が不在で困ったオフィス  ・問い合わせが来たけど、担当が不在で対応できない
  ・今、案件がどこまで進んでいるのか、本人でないと分からない
  ・「戻り次第連絡」「本人に確認の連絡」など業務に支障が出る
 こうした状態が繰り返されると、お客様を待たせてしまったり、社内で何度も確認が行われたりすることとなります。こうした状況が常態化してしまうと、お客様から「すぐに対応してくれない会社」というレッテルを貼られてしまいかねません。

  【情報を伝える】  

 顧客情報や現在の進捗を全員で共有する仕組みは、簡単な営業ツールを利用し、"見える化"を図りましょう。最初は、案件の進捗を「見積中/商談中/受注済」、問い合わせの緊急度を「高/中/低」から選ぶ方式にするなど、入力も最小限から始めていくことをオススメします。データを集める中で「お客さんからこの質問されることが多いかも」や「こういう情報があったら便利かも」という気づきができれば、よくある質問集として次の対応に活かしたり、システムを使いやすく改良したりすることにつながります。


「ベテラン社員」しか分からない

 長年の経験で培った技術やコツが受け継がれないという課題を抱えているケースも少なくありません。
ベテラン社員がいなくなり立ち尽くす若手社員   ・特定の人しか操作できない機械がある
   ・口で伝えるだけで、マニュアルなど存在しない
   ・跡を継ぐ人がいない、または育たない
 ベテランの社員が新人の頃は「習うより慣れろ」「背中を見て覚えろ」と言われていた時代でした。そのため、いざ自分が教える立場になると、勘や感覚でやってきたことを言葉で伝えるのは難しいものです。思うようにいかないのも、無理はないのかもしれません。

  【技術を伝える】  

 現場の「やり方」を記録することから始めましょう。スマートフォンで作業内容を撮影した動画を、そのまま展開するだけでも、十分に立派な"見るマニュアル"になります。もし、撮影の際に余裕があれば、成功例だけでなく、失敗シーンやその際の対処法まで記録しておくと、より効果的です。失敗や不良となった記録を集めて、分析すれば、作業時に注意する点が見えたり、完成品検査の貴重なデータとなったりするからです。“もしも”に備えるための準備として、今から少しずつ残していくことが大切です。


「社長」しか分からない

 「今、社長が会社について思うこと」――全員で共有できていますでしょうか?
社長のビジョンを誰も理解していない   ・会社はこうあるべきという社長の「理想像」
   ・こういう人材になってほしいという「人物像」
   ・将来的にこうなりたいという未来の「ビジョン」
 意識的に発信したとしても、受け取り方はそれぞれ違ってきます。そのため真意や熱量が十分に伝わらないこともあります。また、社員サイドとしては「社長の考えと違ってないかな……」と不安となった場合、行動に迷いが生じ、消極的になってしまいます。

   【考えを伝える】  

 ここで役に立つのがAIです。AIは「社長の頭の中で思っていることを、伝わる言葉に変換してくれる通訳機」のようなものです。断片的なアイデアやとりとめもない独り言であっても、"社員に伝わる事業方針"として整理してくれます。それを受け取った社員は、これからやろうとしていることを壁打ちの相手のようにAIチャットへ相談すると「会社の方針とズレがないか」「優先順位は適切か」などを確認することができます。社長と社員が同じベクトルで仕事に取り組めるようになれば、迷いが減り、現場の判断スピードが格段に上がるはずです。


まとめ

 「特定の人しか分からない」状態は、どの会社でも起こり得る身近な課題です。しかし、一部に情報や判断が集中したままだと、急な不在や退職時に致命的なトラブルを招く恐れがあります。
 大切なのは、問題が表面化する前の「今」から、少しずつ備えておくことです。最初から完璧な仕組みを導入する必要はありません。小さく始めて、時間をかけて継続し、自分たちに合った形を確立していきましょう。

黄色信号」を「青信号」に変えるために、

余裕をもって取り組み始めましょう。「ちょっと気になっている」「何から手をつければいいか整理できない」という言葉にならないモヤモヤの段階でも構いません。気づいた時が一番のはじめ時です。業務改善やシステム導入に限らず、小さな疑問でも大歓迎です。気づいた今この瞬間から、私たちと一緒に整理していきましょう。

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